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2014年03月29日 [記事URL]
「避妊をしていないのに2年以上にわたって妊娠に至れない状態」が不妊症であるとWHO(世界保健機関)では定義されています。
そして現在の日本では、実に10組に1組のカップルがこの不妊症に悩まされているといわれています。
また、日本では、結婚後2年経過してから不妊症として治療を開始するカップルが多いのですが、欧米では結婚後1年で不妊症と判断し、治療を開始する国も多いようです。
実際に、正常な夫婦生活を続けていれば8割のカップルは1年以内で妊娠するという統計結果もありますし、晩婚化が進む現在では、より早く不妊の治療を開始する方が望ましいという声もあります。
一方では、自分自身が不妊症であると認めたくないという当事者の心情もあると思います。
そもそも、どこからが不妊なのか分からず、自分自身が不妊症とは思っていなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
夫婦生活や生理周期などに異常は何もないのに、なぜか月日だけが過ぎてしまい、結果的に不妊となっているという方もいらっしゃると思います。
妊娠後や出産後の仕事との両立が気になって、不妊症としてクリニックを受診することをためらっている方も多いことでしょう。
不妊について考え出したら、心配事や気になることは尽きませんよね。
にも関わらず、周囲からのプレッシャーや、心ない一言に傷つけられてこられた方も少なくないと思います。
ですので、不妊、そして不妊症について、正しく知ることから、まずは初めて見ませんか?
今まで子宝に恵まれなかった原因や理由、そして解決策が、実は思いもよらないところにあるのかもしれません。
ひとつひとつ不妊について、学んでいって頂ければと思います。
ではまず、なぜ不妊症になるのか?という基本的なところから考えてみましょう。
不妊症の原因には様々なものがあります。
以前は、不妊症は女性特有の症状であるというようにいわれていましたが、現在では男性に原因がある不妊(男性不妊)と半々といわれています。
また、不妊症とは、不妊という一つの症状であり、不妊症という病気があるわけではないということも覚えておいて頂きたいです。
〜女性編〜
女性の原因として多いものが、内分泌系(ホルモン)の異常による不妊です。
これは無月経などの月経異常をともなう場合が多く、高プロラクチン血症や多膿疱性卵巣症候群(PCOS)、黄体機能不全などが不妊症の原因としてよく知られています。
その他、内分泌系以外にも、卵管狭窄や子宮筋腫など器質的な異常により不妊症となることが多いです。
また、晩婚化が進む現在では、卵子の老化も不妊症の大きな原因の一つといえます。
〜男性編〜
男性不妊の原因としては、無精子症などの造精能力の問題による不妊が9割といわれています。
その他には、ED(勃起不全)や射精障害といった性機能障害も不妊症の原因となります。
ただし、男性の場合は、体調やストレス、投薬などにより一時的に造精能力が低下するケースも多いため、男性要因の不妊として確定するまでには慎重な検査が必要です。
不妊症の治療は、タイミング法→人工授精(AIH)→体外受精(IVF)→顕微授精(ICSI)と段階を踏んで高度生殖医療(ART)へとステップアップすることが一般的です。
どの段階の治療も女性に負担がかかる治療ではありますが、人工授精以降のステップでは、あらかじめ精子を採取する必要があり、パートナーの不妊に対する理解と協力も必要になります。
また、女性に内分泌系の問題がある不妊症の場合は、排卵誘発剤などの投薬を必要とする場合が多く、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などのリスクを伴い、女性にはなおさら身体的負担が大きくなることがあります。
不妊の治療は、タイミング法までは、保険で治療を行うことができることが多いですが、人工授精以降の高度生殖医療においては、ほぼすべてが自費での治療となります。
不妊の治療を行っているクリニックによって料金体系が異なりますので、一概にいくらということは言えませんが、人工授精で1回1〜3万円程度、体外受精で30万〜50万円程度、顕微授精で50〜70万円というところが多いようです。(詳細はクリニックにお問い合わせ頂くのが確実です)
高度生殖医療の費用に関しては、国の助成金制度もありますが、それでも不妊に悩むカップルへの経済的な負担は依然大きく、社会的な問題にもなっています。
ここまでの内容からお分かりになるように、不妊症にはさまざまな壁があります。
ご自身を不妊症と認識する壁、治療においてパートナーに不妊への理解と協力を得るための壁、そして経済的な壁です。
これら不妊症の壁を打ち破るのに必要なこと、それは、ご自身とパートナーのお二人で、共に理解し合い、助け合うという気持ちです。
この気持ちがお二人共にあれば、何らかの形で不妊症の壁は越えられるのです。
もし、あなたが、これから不妊に対して向き合い、治療を始めようとお考えなのであれば、ぜひ、実りある妊活を送って頂ければと願っています。
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