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2015年08月21日 [記事URL]
男性も女性も、さまざまな理由で不妊症になることがわかっています。
東洋医学では、食事や食べ方といった食生活でも不妊体質に結びついてしまうことが指摘されています。
どんな食生活だと不妊に陥ってしまうのでしょうか?
不妊対策中の食生活としてよくない例を挙げてみます。
*朝食抜き
*コンビニ弁当
*パスタやうどん、カレーなどの単品ランチ
*3時のおやつにケーキやクッキー
*毎日のように女子会や飲み会
*飲んだ後の締めのラーメン
他にも、ハンバーガーなどのファーストフード、インスタントラーメンやポテトチップスなどのジャンクフード、アイスクリームや清涼飲料水。
こうしたものが日常的な食生活の方であれば、不妊治療を始める前に、まずは食生活を改善しましょう!
食べることが大好きなグルメ女子は有名なイタリアンやフレンチレストランでランチ会やお茶会、宴会好きな男性は居酒屋で毎晩のように飲み放題。
おそらく、かなりカロリー過多でしょうし、相当なアブラや砂糖の量ですね。
こってり濃い味のもの、脂っこいもの、砂糖を食べ過ぎると、身体に蓄積されていき、それが妊娠を妨げるモトになると東洋医学では考えます。
これでは、妊娠体質からますます遠ざかるばかりですよ!
まさに、食生活から不妊になってしまうパターンです。
では、どうしたら妊娠しやすくなるのでしょう?
不妊を克服できる食生活ってどんなでしょうか?
何を食べればいいのでしょう?
インターネットや書籍・雑誌などからさまざまな情報を得ることができる今、「私はコレで不妊を克服/妊娠しました!」といった口コミもよく目にしますし、業者さんの広告もあふれています。
生姜やナッツ、ココナツオイル、ルイボスティなどはどなたも試したことがあるかと思います。
食品としては手に入りにくいので、マカやザクロなどはサプリやドリンクなどが出回っています。
妊娠するために必要な栄養素として、葉酸、ビタミンE、亜鉛、EPA・DHA、などのサプリも愛用されている方は多いです。
クリニックからはメラトニンやDHEA、プラセンタなども処方されて、毎日大量のカプセルや錠剤を服用されていらっしゃいます。
あくまでも、サプリメントは不完全な食生活を"補助"するものですので、「これだけ飲んでるから大丈夫」というものではないことをご理解くださいね。
サプリとはいえ、体質に合わないものを長期に渡って摂り続けるのは良くないこともあります。
ご自身の体質とよくご相談のうえ、利用するようにしてください。ご自身の体質がよくわからない方、不安な方は一度ご相談ください。
妊活に限らず、高タンパク、低脂肪、食物繊維やミネラルもたっぷり、というのは食生活の基本ですよね。
実際には、不妊体質にならない食生活のルールとは、イケナイものをできるだけ排除していって、あとはバランスだと思うのです。
*1日3食のバランス(とくに夜のドカ食いはやめましょう!)
*3大栄養素のバランス(炭水化物・脂質・たんぱく質を偏りなく!)
*主食と副菜のバランス(極端な糖質カットも糖質オンリーもやめましょう!)
*お肉と野菜のバランス(できれば肉・魚の3倍以上の野菜を!)
「1日30品目!」を奨励されてきましたが、1日で全部制覇しなくてもいいのです。
だいたい1週間くらいのスパンで、まんべんなくいろいろな食材を摂取できればOKです。
実は、不妊に効く、これだけ食べていればいいという"ミラクルフード"はありません。
「子宝に効く!」「効果絶大!」「私はコレで妊娠!」と謳われた特定の食材を見かけたら、「そういえば最近コレ食べてなかったな」という方だけ一度食べてみたらいいと思います。
ブームは次から次へとやってきますので、どうか流されないようにしてくださいね!
何かに凝ってしまうと、そればかりになってしまい、食生活のバランスを崩すことになりかねません。
むしろ、そのほうが不妊によくないと思うのです。
何を食べるか・食べないか、だけではなく、いつ・どうやって食べるかということも大事です。
早食いのクセがある方、食事前や途中に大量の水を飲む方、テレビやスマホを見ながら食べる方、改善の余地ありですよ!
「目の前の食事が私の身体になる」という気持ちを忘れずに、一食ずつ大切にしていただければいいですね。
難しく考える必要はありません。忙しくて時間が無いのに無理してすべて一から手作りしなくても大丈夫。市販のものも上手に取り入れながら、できる範囲で身体づくりをしたらいいのです。
無農薬有機栽培は確かに安心ですが、こだわり過ぎると食べられるものがなくなります。
それでも、諦めずに少しでも安全なほうを選ぶことで、食生活、そして身体を大事にする気持ちを維持していってくださいね。
不妊治療を卒業しても、きっとこの食生活の習慣は一生あなたの財産になるはずですよ!
2015年08月09日 [記事URL]
「女の子は冷やしたらいけない」と昔から言われてきました。
実は不妊につながるということでも、おばあちゃんの知恵は正しかったのです。
巷には冷え予防グッズが溢れていますが、では、なぜ冷やしたらいけないのでしょうか?
不妊でお悩みの方はぜひ身体に及ぼす影響を知って、冷えに適切に対処していただきたいと思います。
不妊治療中で自称「冷え症」の方は多いのですが、単なる「寒がり」屋さんとは違うのです。
寒がりの方は、平均的な人よりも寒さを感じる度合いが強い方です。
これは成長過程の環境や生活習慣などが大きく影響していますし、温度の上下に敏感な方とも言えます。
本物の「冷え症」の方は全身、あるいは下半身が冷たくなりやすい体質の方です。
気温が下がると手足が冷たくなるのは、一番大切な身体の中心の熱を逃がさないようにするための生理現象です。
寒がり屋さんは予防行動を早めに取られるため安心な面がありますが、自覚無しの冷え症の方は不妊治療に不利ですよね。
そして、寒さを察知して身体を温めても、なかなか元の温かさに戻らないのが「冷え症」なのです。
温めたらすぐにポカポカになる方は本物の「冷え症」ではありませんよ!
近頃は寒がりでもないのに、過剰な温活で温め過ぎの方がおられるのが心配なところもあります。
逆に身体に余分な熱がこもっているほどヌクヌク・アツアツなのに、世間の温活ブームに従って夏でも腹巻きをしたりカイロを貼ったりして汗だくになっていらっしゃる方もお見受けします。
これはこれで別の原因からくる不妊症を引き起こしてしまいますので、心配になります。
温めてはいけない人は温めないようにしてくださいね!
「冷え=不妊」ということではありません。
それでも冷えはさまざまな面で影響を及ぼします。
一番大きいのが血流の問題です。
冷えることによって血液循環が悪くなるのは、みなさん既におわかりかと思います。
人間の身体は大小の血管がすみずみまで張り巡らされて、細胞一つひとつに栄養を行き渡らせることで生命活動を行っています。
血管が目に見えてわかりやすい身体の末端部分や表面だけでなく、中の内臓もすべてです。
内臓というものは、すべて冷えたら機能が落ちますし、動きも悪くなります。
妊娠に欠かせない卵巣や子宮ももちろん内臓です。
たとえば、お腹をカイロなどで温めることで生理痛がましになったという経験のある方はいらっしゃると思います。
子宮は自ら収縮することで内膜を排出しようとするのですが、冷えるとその動きが悪くなって排出がうまくいかなくなります。
すると、もっと収縮させようとしてプロスタグランジンというホルモン(痛み物質でもあります)がたくさん出てしまい、それがまた排出されないために痛みが増すというメカニズムです。
だから温めると生理痛がましになるのです。
(冷えが原因ではない生理痛もありますのでご注意ください)
また、卵巣にある卵子を成長させるのはホルモンです。
ホルモンは血流に乗って運ばれますから、やはり冷えによって血流が滞ることで不妊の原因になるわけですね。
子宮内も、冷えにより血流が悪くなると筋腫や内膜症などの病気になりやすいだけでなく、着床もしにくくなるのです。
その他にも、冷えのせいで代謝が悪くなったり、免疫力が落ちたり、自律神経が乱れたり、といったこともあります。
どれも全身の働きにかかわりますし、体調を左右します。
直接的に冷えが不妊を引き起こすのではなく、さまざまなところから間接的に不妊の原因となるのです。
冷えからくる不妊を予防するには、まずは下半身、とくに足もとの冷え予防が大事です。
冬はもちろん、夏も要注意です。
クーラーのきいた屋内では必ず靴下をはくとか、必要であればレッグウォーマーやレギンスを着用すること、裸足にサンダルは黄信号です!
また、外出先の冷暖房事情もよく考慮してからお出かけするようにしましょう。
夏場でも暑いからといってタンクトップに短パン、ビーサンで出かけて、デパートで芯まで冷えきってしまうということがないよう、くれぐれもご注意くださいね。
妊活中は、お祭などでの、かき氷や氷入りのドリンクも控えるようにしてください。
もし、今日は冷えたかな?と思ったら、一日の終わりに足湯や下半身浴でリセットするのも良いですね。
そして、自覚がある無しにかかわらず、完全に冷えにやられてしまっているなら、鍼灸の力で身体から冷えを追い出すことが有効です。
冷えの症状がきつい方は、他の病症よりも優先して、まずは冷え取りをします。
それほど冷えは不妊の大敵なのですよ。
あなたの冷えと、その対策は大丈夫ですか?
自覚のない冷えは本当に多いです。
当院のゲストもほとんどの方が冷えをお持ちです。
来院されるまで自覚のなかった方も決して少なくありません。
あなたの身体が冷えに負けてしまっていないか、今一度チェックしてみて下さい。
冷えてるかも・・・
不安になってきた・・・
よく分からない・・・
もしこのように感じられるのでしたら、今すぐ冷え体質のチェックと対策をスタートすることをオススメしますよ(^^)
2015年07月17日 [記事URL]
不妊で悩んでいらっしゃるのに、婦人科で一通り検査を受けても何も原因が見つからない、という方がおられます。
不妊の原因が見つかれば、なにかしら対処の仕方も見つかるはずなのに、「もう、どうしていいのかわからない」と、途方に暮れてしまいますよね。
あなたの「原因不明」の不妊は、もしかしたら「ストレス性」の不妊かもしれません。
ただ、器質的な問題もなく、いわゆる「機能性不妊」という方は一定いらっしゃいますが、そのなかで現在の医療では原因不明というだけで、将来は原因が明らかになるかもしれない方も含まれています。
医学(とくに不妊治療領域)の進歩、発展を願うしかありません。
それでも、さらに詳しい検査を受ければ判明することもあるのです。
検査項目は医療機関によりますし、一般的な病院では扱っていなくても、より高度な不妊専門クリニックで初めてわかることもあるのです。
ですから、「原因不明不妊」といわれてすぐ諦めるのではなく、もっと詳しい検査を受けてみるのも大事なことですね。
ところが可能な検査を全部受けても原因不明な方がいらっしゃるのです。
もちろん、高度な医療を提供できる不妊治療専門クリニックで原因を突きとめるのは大事なことです。
でも、いくつものクリニックで何度も何度も検査を繰り返す前に、「ストレス性不妊」を疑ってみるのもいいかもしれません。
東洋医学による心と身体
話題がガラッと変わりますが、東洋医学では心と身体は密接に関わりがあると考え、『心身一如』という言葉もあるほどです。
心の安定は身体の安定につながり、またその逆も然り。
精神的に不安定であれば、身体も影響を受けて病気になってしまいます。
その最たる例が「ストレス性不妊」なのです。
日々ストレスを受けてイライラや怒りをため込んでいくとどうなるのでしょうか。
女性であれば思い当たる方も多いのが生理不順ですね。
とてもショックなことがあったり、ひどく落ち込んだりすると生理が来なかったり遅くなったりすることもあります。
人がストレスを感じ取るのはハートではなく、脳です。
ハートブレイクではなく、ブレイン(脳)ブレイクなのです!
脳の視床下部および脳下垂体から、さまざまなホルモンが出て身体に指令を出したり、自律神経系を制御したりしているのですが、ストレスを受けると心拍数や血圧が上がったり食欲が低下したりするだけでなく、同じところから分泌される性ホルモンにも影響が及ぶのです。
卵胞ホルモンや黄体ホルモンといった女性生殖器から分泌されるホルモンは脳の奥深いところで監視されていて、下垂体から必要な刺激ホルモンが分泌されるのですが、これがストレスを受けることによって乱れてしまうのですね。
こうしたホルモン分泌のメカニズムやストレスの影響について詳しくわかったのは、それほど昔ではありません。
ところが、東洋医学では、何千年も前から指摘されていたことなのです。
もちろん大昔の中国で「ストレス」という言葉はありませんでしたが、さまざまな感情や精神状態が五臓六腑の状態を左右すると考えられていました。
五臓六腑でいうと、第一線でいわゆるストレスに立ち向かうのは「肝臓」なのです(アルコールを分解したりする西洋医学的な肝臓とは別のものです)。
ストレスでこの肝臓が暴走し始めるのですね。
ストレスによって肝臓の機能にトラブルが発生すると、"気"が停滞し、スムーズに流れなくなってしまいます。
そのうえ、もともと肝臓は"血"を統括しているため、生理が乱れ、身体を構成する"気""血"両方がしっかり働かなくなってしまうため、その結果不妊になるということは、大昔から指摘されていました。
今も昔も、肝臓が高ぶり過ぎて暴走しないよう、余分な力を抜きながら、上手にストレス・コントロールしていけるように働きかけていくのが東洋医学による鍼灸です。
性格的に肝臓がすぐに高ぶってしまう方や(いわゆる、ストレス耐性が低い方)、長引く不妊自体がストレスになっている方は、「原因不明」ではなく、「ストレス性不妊」の可能性が高いです。
そこまで判明したら、後は対策していくだけですね!
正しい食生活やたっぷりの睡眠で良質の血をつくったら、全身にめぐらせて隅々まで栄養を行きわたらせるのは、肝臓の働きが非常に大きいのです。
気のめぐり、血のめぐりをよくして「ストレス性不妊」を卒業しましょう。
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