HOME > 1分で分かる不妊治療 > 疾患と症状 > 多膿疱性卵巣症候群(PCOS)と不妊の関係とは?
2014年03月29日
不妊で悩まれている方で多い疾患が多膿疱性卵巣(PCO)または多膿疱性卵巣症候群(PCOS)です。
このページでは、多膿疱性卵巣症候群がどういった症状で、なぜ不妊に関係してしまうのかということを説明していきます。
多膿疱性卵巣症候群とは、何らかの要因により排卵ができずに、卵巣内にたくさんの卵胞がたまってしまい、月経異常や不妊という症状をきたしてしまう病態のことをいいます。
原因としては、血液中のインスリン上昇により男性ホルモンが過剰につくり出されることで、黄体形成ホルモン(LH)が高くなってしまうことと考えられていますが、明確にはなっていないのが現状です。
ただ、卵巣内にいくつかの卵胞がたまること自体は、そう珍しいことではないので、月経異常やホルモン値の異常がなければ多膿疱性卵巣症候群とは診断されません。
症状としては、肥満や男性化(体毛が増えたり、声が低くなったりなど)、月経異常、不妊があります。
また、不妊の原因の2割程度は多膿疱性卵巣症候群であるといわれています。
ではなぜ、多膿疱性卵巣症候群が不妊に関係するのでしょうか。
答えは簡単です。
排卵しないためです。
また、多膿疱性卵巣症候群になると、排卵しないために、基礎体温が二層にならず、月経周期がおかしくなり、月経異常となります。
そのため、タイミングも計りづらく、自然と妊娠しにくい状態になってしまうのです。
とはいえ、多膿疱性卵巣症候群で月経異常がありながらも、自力で排卵が起きることがある場合は、タイミングさえ合えば、妊娠する場合もあります。
治療は、ホルモン療法により、正常に排卵するようになることを目指して行われます。
特に不妊治療の場合は、クロミッド(クロミフェン)等による排卵誘発が一般的です。
それでも排卵が困難な場合は、腹腔鏡下卵巣焼灼術により、卵巣に数カ所の穴を開けて、排卵しやすくするということも行われます。
また、血糖値がホルモンに関係することから、食生活といったライフスタイルの改善も並行して行うことが大切です。
そのため、普段の生活の中で、規則正しい生活、食事、適度な運動といったライフスタイルに注意するということは、多膿疱性卵巣症候群を予防するためにも、ぜひ気をつけていただきたいところです。
なお、多膿疱性卵巣症候群による不妊とされていた方でも、治療を行うことで70%以上は妊娠できたという統計データがあります。
実際、当院でも多膿疱性卵巣症候群に悩まれているゲストの方は少なくありません。
けれども、多くの方が克服し、子宝を授かられています。
ですので、もし、あなたが多膿疱性卵巣症候群で不妊に悩まれているなら、ご安心下さい。
決して克服できない症状ではありませんので、前を向いて治療に臨んで頂きたいと思います。
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