HOME > 1分で分かる不妊治療 > 生活の中にひそむ不妊の原因 > ストレスからくる不妊
2015年07月17日
不妊で悩んでいらっしゃるのに、婦人科で一通り検査を受けても何も原因が見つからない、という方がおられます。
不妊の原因が見つかれば、なにかしら対処の仕方も見つかるはずなのに、「もう、どうしていいのかわからない」と、途方に暮れてしまいますよね。
あなたの「原因不明」の不妊は、もしかしたら「ストレス性」の不妊かもしれません。
ただ、器質的な問題もなく、いわゆる「機能性不妊」という方は一定いらっしゃいますが、そのなかで現在の医療では原因不明というだけで、将来は原因が明らかになるかもしれない方も含まれています。
医学(とくに不妊治療領域)の進歩、発展を願うしかありません。
それでも、さらに詳しい検査を受ければ判明することもあるのです。
検査項目は医療機関によりますし、一般的な病院では扱っていなくても、より高度な不妊専門クリニックで初めてわかることもあるのです。
ですから、「原因不明不妊」といわれてすぐ諦めるのではなく、もっと詳しい検査を受けてみるのも大事なことですね。
ところが可能な検査を全部受けても原因不明な方がいらっしゃるのです。
もちろん、高度な医療を提供できる不妊治療専門クリニックで原因を突きとめるのは大事なことです。
でも、いくつものクリニックで何度も何度も検査を繰り返す前に、「ストレス性不妊」を疑ってみるのもいいかもしれません。
東洋医学による心と身体
話題がガラッと変わりますが、東洋医学では心と身体は密接に関わりがあると考え、『心身一如』という言葉もあるほどです。
心の安定は身体の安定につながり、またその逆も然り。
精神的に不安定であれば、身体も影響を受けて病気になってしまいます。
その最たる例が「ストレス性不妊」なのです。
日々ストレスを受けてイライラや怒りをため込んでいくとどうなるのでしょうか。
女性であれば思い当たる方も多いのが生理不順ですね。
とてもショックなことがあったり、ひどく落ち込んだりすると生理が来なかったり遅くなったりすることもあります。
人がストレスを感じ取るのはハートではなく、脳です。
ハートブレイクではなく、ブレイン(脳)ブレイクなのです!
脳の視床下部および脳下垂体から、さまざまなホルモンが出て身体に指令を出したり、自律神経系を制御したりしているのですが、ストレスを受けると心拍数や血圧が上がったり食欲が低下したりするだけでなく、同じところから分泌される性ホルモンにも影響が及ぶのです。
卵胞ホルモンや黄体ホルモンといった女性生殖器から分泌されるホルモンは脳の奥深いところで監視されていて、下垂体から必要な刺激ホルモンが分泌されるのですが、これがストレスを受けることによって乱れてしまうのですね。
こうしたホルモン分泌のメカニズムやストレスの影響について詳しくわかったのは、それほど昔ではありません。
ところが、東洋医学では、何千年も前から指摘されていたことなのです。
もちろん大昔の中国で「ストレス」という言葉はありませんでしたが、さまざまな感情や精神状態が五臓六腑の状態を左右すると考えられていました。
五臓六腑でいうと、第一線でいわゆるストレスに立ち向かうのは「肝臓」なのです(アルコールを分解したりする西洋医学的な肝臓とは別のものです)。
ストレスでこの肝臓が暴走し始めるのですね。
ストレスによって肝臓の機能にトラブルが発生すると、"気"が停滞し、スムーズに流れなくなってしまいます。
そのうえ、もともと肝臓は"血"を統括しているため、生理が乱れ、身体を構成する"気""血"両方がしっかり働かなくなってしまうため、その結果不妊になるということは、大昔から指摘されていました。
今も昔も、肝臓が高ぶり過ぎて暴走しないよう、余分な力を抜きながら、上手にストレス・コントロールしていけるように働きかけていくのが東洋医学による鍼灸です。
性格的に肝臓がすぐに高ぶってしまう方や(いわゆる、ストレス耐性が低い方)、長引く不妊自体がストレスになっている方は、「原因不明」ではなく、「ストレス性不妊」の可能性が高いです。
そこまで判明したら、後は対策していくだけですね!
正しい食生活やたっぷりの睡眠で良質の血をつくったら、全身にめぐらせて隅々まで栄養を行きわたらせるのは、肝臓の働きが非常に大きいのです。
気のめぐり、血のめぐりをよくして「ストレス性不妊」を卒業しましょう。
■:休診日
Copyright© 2017 不妊治療専門漢方鍼灸治療院 馬場聖鍼堂 All Rights Reserved.