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2015年08月29日
不育症とは、妊娠するものの、流産や死産を繰り返して赤ちゃんが育たない病気です。
流産を3回以上繰り返してしまうことを習慣性流産といいますが(2回は反復流産)、
妊娠22週以降の死産も含めて不育症と呼ばれます。
患者数は140万人、年間約3万組が発症しているとのことです。(平成22年調査)
その原因はどこにあるのでしょうか?
とくに初期流産の原因は、胎芽・胎児の染色体異常のことが多いです。
男女ともに年齢が上がると流産率も上がるのは、それだけ染色体異常(コピーミス)が
起きやすいこともあるのです。
自然淘汰で発生するので、防ぎにくい流産です。
決して自分が原因(何かした/しなかったせい)だと考えないようにしてくださいね。
反復流産は2~5%、習慣流産は1~2%の発生率だそうです。
たとえ不育症と診断されたとしても、約8割の方はその後出産できています。
不育症だと一生子どもを授かることができないと思い込むことはありませんよ。
染色体異常以外で多い原因は、検査で初めて認識することができます。
偶発的な流産と信じていたら、実は・・・ということもありますので、
早めに専門の検査を受けることをおすすめします。
1)子宮
奇形や筋腫など子宮の形態異常が不育症の原因になっていることがあります。
ただし、必ずしも流産になるわけではなく、奇形の種類、筋腫のできた場所や
大きさによって問題となります。
検査法は子宮鏡、子宮卵管造影法、経膣超音波、腹腔鏡、MRIなど
2)血液凝固系
抗リン脂質抗体、プロテインC・Sや第12因子欠乏症などがあると、血液が
固まりやすいのです。胎盤で血栓を生じやすく、血管新生を妨げる働きをします。
十分な栄養を赤ちゃんに届けられなくなるため、不育症の原因となることがあります。
検査項目はAPTT、プロテインC活性、プロテインS活性、第12因子など
3)免疫系
自己免疫疾患および同種免疫異常が不育症の原因になることもあります。
母体にとって受精卵は異物になりますので、拒絶反応で流産となることがあります。
拒絶せず、いい免疫反応が起きることで妊娠は継続することができるのです。
検査項目はNK細胞活性、ANA、LAC、CL抗体、PS・PT抗体など
4)内分泌代謝系
甲状腺機能、プロラクチン、糖代謝機能、黄体機能などの異常、つまり
ホルモン分泌のバランス異常が原因となって不育症となるケースもあります。
検査項目はP4、FT3、FT4、TSH、TRH負荷試験、空腹時血糖、HbA1cなど
他にも感染症(クラミジア、淋菌など)が原因ということもあります。
検査を受ける目的は可能な限りのリスク要素排除なので、原因究明に躍起に
なりすぎないことも大事かもしれません。
いくら調べても原因が特定できないことが25%ほどあるそうですから。
もし何か原因がみつかれば、治療法があるケースにおいては、
うまくいく可能性がかなり高まりますので、検査を受ける価値はありますよ。
今回は不育症の原因について解説しました。
次は治療法をご説明します。
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